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2011/6/8 時間帯制限付発電 その2

時間帯制限付発電について説明のその2です。その1は、こちらへ。

 

風力

日本では、将来性は、かなり厳しいと思います。

風力発電を実施している青森県六ヶ所村に行きましたが、24時間、風の強い日が多い土地で、風力発電の立地条件としては最適と感じました。しかし、隣町まで車で移動すると、風の状況は一変して無風状態に近くなり、限られた立地条件のみ成立する発電方法であることを体感しました。

土地の有効活用の観点からも、太陽光であれば、各家庭の屋根等、現在ある土地を有効活用できますが、風力の場合は、限られた、風力に対して立地条件の良い土地を新たに確保する必要性があります。

更に、バードストライク等の生態系への影響の観点、故障の際のメンテナンスの観点から、洋上という選択は大規模には拡大できません。自然エネルギーのために自然を破壊して良いという理論は成立しないためです。

また、風力は太陽光よりコストが安いという事実だけが先行しすぎていると思われます。コストが安ければ、広大な森林を切り開き、生態系を無視しても良いということにはなりません。それでは原発事故と大きく変わらず、将来性はCとしました。

太陽光に技術革新が生じた場合、風力より太陽光の方が魅力的なものになります。

 

水力

日本では、将来性は、かなり厳しいと思います。

水力にはダムが必要です。自然エネルギーが必要なため、こらからダム建設を促進するという動きになることは考えにくいです。八ッ場ダムのように一つのダムを作る際は、一つの原発を作る時と同じぐらいの期間(地元への建設に関する理解に要する時間を含め)が必要です。

今後の技術革新で発電効率を簡単に上げられる発電法でも無いため、将来性はCとしました。

 

燃料電池

かなり悩んだ末、将来性をBとしました。

課題としては、化石燃料を使用することが挙げられます。燃料電池は、燃料として水素と酸素を使用します。酸素は大気中に存在するため無尽蔵ですが、水素は燃料として作る必要があり、化石燃料から水素を作ります。

もう一つ課題として挙げられるのが、電気の発電だけでは効率が36%と低いことです。この効率では火力発電所の効率を下回り、化石燃料の無駄遣いとなるため、燃料電池で発生する熱でお湯を沸かし、この熱も含めて燃料電池全体の効率を81%としています。しかし、これが裏目に出ます。つまり、1日に必要なお湯が貯まった時点で発電が停止し、24時間の発電は不可能ということです。

価格が高価な貴金属である白金(プラチナ)を使用することから、燃料電池のコストダウンが難しいことからも、通常ですと将来性がCになるところですが、最終的に悩みました点は、燃料として水素を使用することです。蓄電池の技術革新が進めば、更に燃料電池の立場は厳しくなる事は確かですが、蓄電池は余剰電力を電気として貯めることに対し、燃料電池は余剰電力で水の電気分解を行い、化石燃料を使用せず水素を製造して貯めることができる利点があります。この余剰電力を水素で貯める利点から将来性をBとし、もう少し技術の進歩を見守った後に再評価を行いたいと考えます。

 

星野毅が考える時間帯制限付発電

星野毅が考える三本柱の二本目となる時間帯制限付発電は、太陽光の技術革新に期待したく思います。一本目の24時間の定常発電は核融合(実現までは、火力と原発)、二本目は太陽光、そして最後の三本目は24時間の定常発電、時間帯制限付発電と、どちらとも大きく関係のある蓄電池になります。

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