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2012/3/27 太陽光発電が活躍する時期はいつ?

星野毅が考える新エネルギー。太陽光発電が活躍する時期はいつか?を考えたいと思います。

ピークは4-5月

1年間のうち、最も太陽光発電が活躍する月(最も発電量が多い月)はいつでしょうか?
1)日差しの強い7月や8月の夏
2)昼間の時間が一番長い夏至(6月下旬頃)
が最初に思いつくのではないでしょうか?

それでは、我が家の昨年(2011年)の太陽光発電量の各月による変化を次の図で紹介します。

意外と思う方も少なくないでしょう。4月が太陽光発電のピークとなりました。
では何故でしょうか?

7月や8月は、確かに晴れの日が多く、日差しも良く、日照時間も長いです。そして、“暑い”季節です。この“暑い”がポイントになります。太陽光パネルは温度が上がりますと、発電効率が落ちます。日差しが強く暑い時期ですので、発電量の伸び悩みは、太陽光パネルの温度上昇が原因と考えられます。

また、6月は梅雨の季節です。晴れている日の発電量は良好ですが、雨や曇りの天気が多い月ですので、全体として発電量が伸び悩むと考えております。

結果的に、ほどほどの気温で、ほどほどの日照時間が稼げる4月がピークとなりました。我が家は約4kWの太陽光パネルを設置しておりますが、太陽光発電に適した気温のためか、この4月前後の時期は、1日の最高発電量で3kW強の数字が出ます。(夏及び冬は、最高でも3kW前後が限界になります。

 

この傾向は、一昨年(2010年)も同じでして、次の図をご覧になれば分かる通り、太陽光発電のピークは5月となりました。これからの季節である4月、5月が太陽光発電のピーク時期となりました。

当然、地域によって、また年によって気温、日照時間等の条件が異なりますし、発電量に影響する他の要因もあるかと思いますので、日本全国で毎年4、5月の時期がピークということは無いでしょうが、2010年と2011年の関東〜北関東の範囲は似たような発電結果になったものと想像しております。

6月を中心に、前後2ヶ月(4月、5月、7月、8月)が太陽光発電の活躍時期と言えるでしょう。

 

家庭の電力需要は冬季

ここで面白いところに気づくかと思います。それは、太陽光発電の活躍期間と家庭の電力消費期間が、全く重ならないということです。

 

我が家はオール電化ですので、冬場の暖房はエアコンのみとなります。ご存じの通り、エアコンの冷房と暖房では、暖房の方が消費電力は高くなります。

また、オール電化の場合は給湯がエコキュートになります。エコキュートは夜間電力でタンクに貯めた温水と水道水を混ぜて適温にし、お湯として使用しますが、冬場に入りますとこの混ぜる水道水が冷たいですので、適温のお湯を得るためにはタンクに貯めた温水を夏場より多く使用します。その結果、より多くの温水を沸かす電力が冬場は必要となります。

よって、実は、家庭で必要な電力量としては、夏場より冬場の方が大きくなります。冬場の電力不足が騒がれないのは、暖房やエコキュートの電力が必要となる時間帯が夕方以降の寒くなる時間帯や夜間ですので、企業等の活動時間帯と重ならず、都合良く電力需要が分散されている為です。

 

補足

下記3点は、補足としまして予めご理解頂けますと幸いです。
1)夏場の家庭は日中に冷房を使用するため、昼間の電力使用量は企業の活動時間と重なり、夏場の電力不足(特に日中)への全国的な対策は必要です。

2)冬場の家庭の電力消費量は多いですが、特にプロパンガスが主の地域では、ガス給湯や石油ファンヒーターを使用するよりは、オール電化の方が光熱費は安いです。

3)私は再生可能エネルギーの普及に大賛成です。しかし、再生可能エネルギーのみですべての電気を賄えるという間違った理解が広がらないよう、説明させて頂いております。

 

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