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2011/6/11 蓄電

6/1の初回のレポート以降、星野毅が考える新エネルギー三本柱について、24時間の定常発電は核融合、時間帯制限付発電は太陽光と説明しました。今回は最後の柱となる、蓄電について説明します。

 

揚水発電

揚水発電は余剰電力を使用し、例えば夜間に下流のダムから上流のダムに水をくみ上げ、昼間の消費電力の大きい時間帯に水力発電を行うという、人工の水力発電になります。主に夜間の余剰電力を使用することから、蓄電の分野に入る発電方法です。東京電力管内には約1000万kW分の発電設備が存在します。

しかしながら、揚水発電は緊急時のみに頼り、通常は本当の余剰電力のみで使用する発電であると、私は考えます。

多くの原発が停止中のため、昼間の電力不足分を揚水発電にて補うことを実施予定ですが、揚水発電を行うために、夜間、火力発電をフル活動させることになります。火力発電は、夜間、一部の発電機を停止させ、出力を落とすことが可能なことから、出力を落とした際の余剰電力で揚水発電を行うことが本来は理想的です。

火力発電を夜間もフル活動すると、その分の多くの化石燃料を使用し、多くのCO2を排出します。また、揚水発電は蓄電と言われますが、蓄電に使った電気の70%しか揚水発電にて電気を復活させることができません。

今年(2011年)の夏は揚水発電もフル活動で乗り切ることに異論はありませんが、限りある資源である化石燃料の有効活用、CO2排出量の削減の観点から、本当の非常時、または本当の余剰電力発生時のみの発電方式と言えます。

 

蓄電池(リチウムイオン電池)

身近に存在する蓄電池は、ニッケルカドミウム(ニッカド)電池から、エネループ等に使用されているニッケル水素電池へ、そして、携帯電話やノートパソコン等の小型で長時間使用が可能なリチウムイオン電池が製造され、現在は電気自動車や家庭用蓄電池としても十分利用可能な電気容量を有する大型のリチウムイオン電池が誕生しました。

この大型のリチウムイオン電池の誕生は、蓄電池の革命とも言われ、蓄電池は乾電池の代用品という役割から、電気自動車等の新エネルギーを支える重要なアイテムへと大きな進歩を遂げました。

 

大型のリチウムイオン電池の誕生は、電気の効率的な有効活用を目指した、次世代送電網として期待されるスマートグリッドの研究開発も促進することになります。

スマートグリッドに関しては、これまでは太陽光発電を行う住宅を500軒ほど集め、同時に太陽光発電を行った際の送電線への影響を調査するまででした。現在は、アメリカのニューメキシコ州にて、太陽光発電、蓄電池(ここではNAS電池というタイプの電池)、各家庭の電気使用状況をモニターするスマートメーターを設置し、複合的な機器を使用したスマートグリッドの実証試験が開始されました。

 

本格的なスマートグリッドの実現には、実証試験による今後の課題抽出が優先のため、日本で実験する簡単なスマートグリッドとしては、太陽光発電、蓄電池、電気自動車を連携することで、太陽光で発生した余剰電力や夜間電力を有効活用するシステムである、スマートハウスという構想が先に実現します。

蓄電池、電気自動車にはリチウムイオン電池が使用されることから、大型のリチウムイオン電池がスマートハウス実現に大きな貢献を果たします。

次世代の三種の神器は、1)高効率な太陽光発電システム、2)高性能な電気自動車、3)高容量の家庭用蓄電池かもしれません。より省エネで、より便利な生活が実現する。その日は遠くはないでしょう。

 

星野毅が考える新エネルギー三本柱

限りある資源を有効活用し、素晴しい未来を切り拓きましょう。新エネルギー社会の実現に向け、星野毅が考える新エネルギー三本柱は、より豊かな生活を実現させます。

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